理事長「歳時記」2024年夏

2024 年 07 月 30 日

今年の夏も猛暑は当たり前となりました。熱中症の危険性が極めて高くなるときに出される熱中症警戒アラートにも、

注視しなければなりません。

気象庁からの予測では、梅雨明け後も安定した天気は続きにくく、雨や雷雨が多い見込みのようです。

地球温暖化や春まで続いたエルニーニョ現象の影響で地球の大気全体の気温がかなり高くなっているため、

太平洋高気圧が強まれば、猛暑になると報告しています。

個人的には、こまめな水分の補給を心がけることが必須です。

俳句の世界では、江戸時代の俳人与謝蕪村(1713-1784)が詠んだ句が、昔の懐かしい夏の情景を想像させるものでした。

蕪村の句は、 俳句の名人正岡子規により再発見されてその写生画的な句風を絶賛され、有名になりました。

〇灸のない背中流すや夏はらひ

当時の夏は行水で、身支度を整え一時の暑さから逃れられたのでしょう。

お灸の有無を夏の行事に組み入れて客観的に表現した句でした。

江戸期には「夏祓(はら)い」する行事や、お灸をして体力を維持する健康法が定着していました。

夏祓いは旧暦6月晦日に行われる大祓いの神事です。正月から半年分たまった穢(けが)れを祓うものです。

茅の輪をくぐったり、穢れを託した形代(かたしろ)を川や海に流すことによって禊(みそぎ)をするものです。

現在でも、6月30日または月遅れの7月31日に行なわれています。

今日のお灸は据えても跡がつかない素材や工夫がなされています。

対峙する短歌を作ってみました。

◎台座灸置かれしなごり有りやなし老いゆく肌に優しかりけり

2024(令和6)年7月

一幡 良利(いちまん よしとし)

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