理事長「歳時記」2024年秋
2024 年 10 月 30 日
年12から13回見ることができる満月のうち、10月17日の満月は、
最も大きく見えることから「スーパームーン」でした。
スーパームーンは、月が地球の周りを円形ではなく、楕円の形で公転しているために、
地球に最も近いときの満月が、スーパームーンとなります。
2月24日の満月が最も遠い時にあたり、マイクロムーンと言われています。
スーパームーンはマイクロムーンに比べ、大きさでは約14%大きく、
明るさでは約30%明るいものです。満月にもいろいろな楽しみ方がありますが、
皆さんには「餅をつくウサギ」は良く見えましたか・・・。
俳句の世界では古くから月を詠んだものは数限りなくあります。
江戸時代前半の俳諧師松尾芭蕉(1644-1694)が「奥の細道」の旅の最終地
大垣(1689年)にて詠んだもので、伊吹山を題材にしたものがありました。
〇そのままよ月もたのまじ伊吹山
秋の月の力を借りなくても、そのままで雄大な美しい山を詠んだものです。
滋賀県最高峰の伊吹山(標高1,377m)は、高山植物をはじめ薬草、野鳥、
昆虫の宝庫です。お灸に使う「艾(もぐさ)」の産地としても知られています。
対峙する短歌を作ってみました。
◎車窓から絹雲高き伊吹山似たるものかな艾のけむり
2024(令和6)年10月
一幡 良利(いちまん よしとし)