理事長「歳時記」2026年夏
2026 年 07 月 31 日
夏本番です。梅雨明けと同時に、最高気温が40℃以上の「酷暑日」がやって
きました。今回は、太平洋高気圧とチベット高気圧のダブルでの張り出しに
よるものです。今後はさらにフェーン現象が加わる時もあります。
こうした高温が増加する背景には、地球温暖化による地球全体の気温や海面
水温の上昇、ヒートアイランド現象、数十年規模で起こる大気の自然変動など、
様々な要因が関係していると気象協会が報告しています。
写真は白糸の滝です。少しは涼を感じられます。

俳句の世界では、日野草城(1901-1956)が暑い夏の日に病気平癒を灸にかけて
詠った句がありました。病気になり日常の中での喜びや悲しみを詠うようにな
りました。
夏バテを防ぐ土用灸としての捉え方とは違い、「うつそみ」「いのち」「灸」
を重ねあわせた切実なものでした。
◎うつそみのいのち惜しければ灸を据う
うつそみとは、この世の人、この世、「うつせみ」の古形です。万葉集からの
俳句です。
万葉集のなかに大伯皇女(おおくのひめみこ) が詠んでいました。
◎うつそみの人なるわれや明日よりは二上山を弟世とわが見む
悲しみを直接語らず、「見る」という表現に置き換えています。泣くとも嘆く
とも言わないで、「二上山を弟と思って見る」と言うだけで、お姉さんの生き
ていく姿がわかるものでした。草城が参考にしたかは定かではありません。
2026(令和8)年7月
一幡 良利(いちまん よしとし)
