点字について
点字読み方一覧表
目の見えない人たちは、以下に示したような点字を指で触って読むことにより、文字を認識しています。
点字を読んでいるところ
点字機
点字一覧表(凸面)
50音(清音)
50音(濁音・半濁音)
拗音・拗半濁音・拗濁音
特殊音
数字
アルファベット
点字印刷の種類
エンボス印刷
この方法は、製版・印刷が比較的容易で、触読にもっとも適しているため点字製本の主流となっています。
- 薄い亜鉛などの板を2重にします。
- 点字製版機で点字の凹凸を付けて、原版を作成します。
- 原版の間に点字用紙を挟みます。
- 点字印刷機のローラーの間を通してプレスしますと、原板と同じ点字が紙に印刷されます。
固型印刷
この方法は、16頁だてのものが1分間に約20部も印刷できますので、頁数・部数の多い印刷に向いています。
- 亜鉛板に専用製版機で点字の形に穴をあげて原板を作ります。
- この亜鉛板をドラムに取り付けます。
- 回転するドラムの間にクラフト紙を通すときに、ドラム内から硬質樹脂を吹き付けて点字を両面印刷します。
- 樹脂が印刷されたクラフト紙を加熱し、点字の形に膨らませます。
サーモフォーム成型
原版の製作は面倒ですが、かなり細密な表現や段を重ねる表現も可能で、作図に向いています。
- 厚紙や糸を張り付けて凹凸を付けたり、一般の印刷用の凸版を用いたりして原版(母型)を作ります。
- 合成樹脂製の特殊シートを載せます。
- 加熱機でシートを軟らかくします。
- 吸引して母型に吸着させ、シートに母型と同じ形の凹凸を付けます。
- 冷却して複製が完成します。
発泡印刷
安定した印刷を維持する技術が必要で、手数と費用がかかります。しかしある程度変化に富んだ表現が可能で、手触りは良好です。点字と併用して美しい印刷物が作られています。
- 原図を製図します。
- 写真製版でシルクスクリーン原版を作ります。(手作りすることもよく行われています)
- 発泡剤を混入した特殊なインクでシルクスクリーン印刷をします。
- 印刷した用紙を加熱すると、インクが発泡して盛り上がります。
立体コピー
大変手軽に製作できて少部数の複製に向いており、手触りも良好です。しかし細密な表現はやや困難なことと、コピーのトナーによる汚れがあります。
- 通常のコピー用の原図を作ります。
- 通常の複写機(トナーの種類は限定されています)で、発泡剤を塗った特殊な用紙にコピーします。
- 特殊な光を照射する現像機を通します。これにより光が黒色の部分に集中して加熱されるため、黒色の部分が盛り上がります。
以上のような手順で印刷したあと、背の部分を糊で固め、表紙を付けて点字本が完成します(点字図書のできるまで参照)。また、開きやすいリング製本や簡便なホッチキス製本もよく用いられています。