理事長「歳時記」2023年冬

2023 年 01 月 30 日

今年は昨年に比べると初詣で寺社巡りをされた方も多く、年の初めを祝うことが出来ました。日常生活も徐々にではありますが、回復の兆しは見えてきています。

東京墨田区千歳にある江島杉山神社(えじますぎやまじんじゃ)では、三年ぶりに新年の儀式が執り行われたので参拝しました。五代将軍徳川綱吉を治療した鍼医杉山和一(すぎやま わいち:1610-1694)を祀る神社です。綱吉から拝領された地に築かれた由緒ある建物です。御朱印にも点字が打ってあり共生社会に相応しいものでした。

鍼灸の神様とも呼ばれ総検校でもあった杉山和一は、管鍼術(かんしんじゅつ)を考案し、鍼治療の技術を伝えるために教育施設をこの地に開校しました。

そんな高名な先生の詠まれた和歌の中に、医の心得の1つを提唱されたものを紹介します。

○呼ばばゆけ呼ばずば見舞へ怠らず折ふしごとにおとづれをせよ

患者を想う心構えが詠われていました。

現在コロナ禍の状況では、友ともなかなか会えない日常ですが、対峙する短歌を作ってみました。

〇大波の平らかなる日黙し待つ友訪ねるは夏来るまでに

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)も未だ収まってはいませんが、政府の感染症法見直しが公表されています。くれぐれも生命を軽んじることがないようにしてもらいたい。

総検校杉山和一だと、どのように綱吉に進言するのでしょうか・・・。

 

桜雲会では1月15日に絵本「世界に誇れる盲偉人杉山和一 ―江戸期に視覚障害者の職業教育施設を開校」を発行しました。絵本ですが和文のすべてに英訳もついていますので、子供から大人まで皆で楽しんでもらえます。実際に手に取って読んで見て聞いていただくと江戸期の医療が、今に繋がるところもあることがわかってもらえます。

ホームページで紹介しています。

2023(令和5)年1月

一幡 良利

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