桜雲会について
社会福祉法人桜雲会は、1892年(明治25年)1月17日、東京盲唖学校の盲生徒の同窓会として発足。1902年(明治35年)には今田束著「実用解剖学」全8巻が点字本として販売したことから、点字出版部が発足しました。
1930年(昭和5年)社団法人桜雲会となり、点字総合雑誌「むつぼしのひかり」を引き継ぐ一方、鍼按科の最初の教科書7タイトル16巻の販売、貸出が行なわれました。この貸出し業務は点字図書館事業の始めでもあったのです。
1952年(昭和27年)社会福祉法人桜雲会になり、2022(令和4)年に創立130周年を迎えました。日本最古の医学書専門点字出版所として情報提供に邁進しています。創立者故高橋豊治の「おいしい食事をすることより、貧しくても、患者から報酬なくとも、人から頼られる人、即ち人に愛される人に、人から喜んでもらえる人、即ち人の為になる人になりなさい」なる理念は、能力主義・競争主義社会の中でも変わることなく現在に引き継がれています。 障害者の働く施設として、盲学校生徒の実習施設、高齢者雇用推進施設として感性をとおして人間的なる生き方に共感する職員を集め、地域社会、海外交流と輪を広げています。
さらなるご支援をお願いします
主な事業
点字出版事業
桜雲会では、医学図書・一般教養図書の点訳出版をはじめ、視覚障害者の生活に密着したマニュアル書を作成し、盲学校・盲団体・点字図書館をはじめ、各福祉事務所に無料配布事業を行なっています。
デジタル製作事業
IT時代の要請に沿うようデジタル録音製作をいち早くスタートさせました。この実績が評価され緊急雇用創出にて、図書館のカセットテープをデジタル変換にする事業を展開中です。また、漢字を自分の力で調べることのできる「漢字実用化辞典」を完成させました。
卒後教育支援事業
ベトナム・ホーチミンのグェンディンチュウ盲学校で、「あん摩・マッサージ・指圧」のセミナーを開催(1998~2002年)し、自立支援教育プロジェクトを展開しました。2003年には卒業生が治療院を開業し、自立支援プロジェクトは大きく第一歩を踏み出しました。日本の自立支援プロジェクトとしては、(株)小学館とヘルスキーパーの特例子会社「九段パルス」を設立し、企業内社員の健康維持の治療研究、パソコンによるカルテ管理・衛生のマニュアル書作成の指導を行なっています。盲生徒の教育実習先としても提供しています。
教育支援事業
112年の培われてきたノウハウを教育の現場で活用していただこうと、筑波大学理療科教員養成施設をはじめ、大学の生涯学習センターの非常勤講師として職員を派遣して日々自己研鑚に努めさせています。2003年には、卒後教育支援として「日本あん摩」の英訳版を完成させる他、海外の盲学校のカリキュラム支援として、衛生学・解剖学・生理学・あん摩の基本手技・臨床医学各論のテキストを刊行しました。
生活用具支援事業
サインをしたいのに枠線が見えにくい、見えない等の理由で自筆行動が制限されている高齢者・視覚障害者のために、職員のアイデアで考案された「はみ出ん蔵」を生活用具として各点字図書館の用具部にて販売をお願いしています。
施設事業
当会は、視覚障害者情報提供施設の中の点字情報の提供、視覚障害者の用具開発、海外交流・技術支援を中心に活動を展開する社会福祉施設です。
1.情報事業
- 専門教育図書・教養書の点訳情報の提供
- 拡大図書の情報提供
- 理療科教科書のUDブラウザ・点字データでの提供
- 機関雑誌「鍼灸の世界」等の情報提供
- 県・市などの点字広報紙の提供
- 電話帳、点字図書館の目録の提供
- 駅・公園等の点字ピクト製作の提供
- デジタル録音図書制作の提供
2.研究事業
- 触察図譜の研究会を主催
- 「手で見る美術展」を開催
- 鍼の消毒の研究会を主催
- ベトナムでのマッサージセミナーの主催
- ルイブライユシステムプロジェクト(視覚補償機器の開発)
3.補助事業
(一財)日本宝くじ協会 助成事業
1982(S57)~ 点字図書館・盲学校・福祉事務所・盲団体に配布
- 「災害時に備えて」「交通安全のしおり」「地震安心読本」「視覚障害者のための安全家庭電気器具取扱読本」「視覚障害者のための救急読本」「視覚障害者のためのエチケット・マナー読本」「視覚障害者のための話し方読本」「視覚障害者のためのエイズ読本」「視覚障害者のための新興感染症と再興感染症」「視覚障害者の老後を豊かにするための本」「視覚障害者の身だしなみと話し方」「一緒に楽しく使える共用品」他
- 2012(H24)「街で白い杖をみかけたら」
- 2013(H25)「視覚障害者と健常者が共に楽しめるスポーツ」
- 2014(H26)「視覚障害者と健常者がともに築く職場」
- 2015(H27)「もし目が見えなくなったら」
- 2016(H28)「みんなに役立つバリアフリー・ユニバーサルデザイン」
- 2017(H29)「正しく学ぼう点字ブロックと白い杖・盲導犬」
- 2018(H30)「東京2020 パラリンピックを楽しもう」
- 2019(R1)「白い杖の人を見かけたら正しい『声かけ』をしよう」
- 2020(R2)「わたしたちの介護-視覚障害者が介護に携わる時-」
- 2021(R3)「視覚障害者にわかりやすい 災害情報伝達と情報共有」
- 2022(R4)「ホーム転落事故防止『だれもが安心して使える駅を目指して』」
- 2023(R5)「コロナ禍での視覚障害者」
日本児童教育振興財団 助成事業
- 1983(S58)以降 触察図譜を盲学校に配布
- 2004(H16)~「点字学習のための手作り絵本かいてみようかんじ1~7」発行
- 2005(H17)「てんじ手作り絵本おぼえちゃ王」発行
- 2018(H30)「闇を照らした白い花~斎藤百合の生涯とヘレン・ケラー」
- 2019(R1)「引き継がれる夢 点字新聞「あけぼの」―左近允孝之進と妻・増江」
- 2020(R2)「日本点字制定130周年記念講演会」
- 2020(R2)「粟津キヨへの旅立ち 「ふみ子の海」から」
- 2021(R3)「夢を追いつづけて 全盲のパラリンピアン河合純一の軌跡」
- 2021(R3)「桜雲会130周年記念講演会・祝賀会」
- 2022(R4)「見えない壁をこえて―視覚障害者の自立を目ざした高橋豊治の物語」
- 2023(R5)「世界に誇れる盲偉人 杉山和一 -江戸期に視覚障害者の職業教育施設を開校」
- 2024(R6)「すべて世のため、後のために 塙保己一とヘレン・ケラー」
日本財団 助成事業
- 1997(H9) 「あん摩・マッサージ・指圧」のベトナムセミナー5か年事業。
- 2012(H24)「視覚障害者のための子育てセミナー」「視覚障害者のための親子の絆」発行
みずほ財団福祉基金「ためしちゃ王」発行 - 2023(R5)「ぼくとベイスの物語 盲ろう者と盲導犬、奇跡の出会いと幸せな時間」DVD付冊子作成及び完成記念講演会(サイトワールドにて)
競輪補助事業
- 2004(H16) 点字版『漢字納得熟語辞典』 製作・配布
- 2007(H19) 点字活字併記図書とCD版『自殺予防啓発のための本』の製作と配布
- 2010(H22) 拡大文字版と音声版『大きな文字の漢字の本』製作と配布
冠婚葬祭互助会補助事業
- 2013(H25) 点墨併記と音声CD『葬儀マナーとしきたり』製作と配布
- 2016(H28) 点墨併記と音声CD『みんなで学ぼう年中行事』製作と配布
東京都共同募金会助成事業
- 2007(H19) 点字版と音声版『物理療法学』製作と配布
- 2009(H21) 点字版と音声版『病証論』製作と配布
- 2014(H26) 点字版と音声版『点字使用者のための防災・防犯対策マニュアル』製作と配布
その他
- 1974(S49) (日本競馬協会)「医心方」鍼灸編の現代語訳と点字出版
- 1977(S52)~1978(S53) (日本自転車振興会)明治以降の視覚障害者14名の伝記を点訳し、点字図書館・盲学校に配布
- 1980(S55)~1987(S62) (丸紅基金)医学図書NIMシリーズの点訳出版
- 2010(H22)ヤマト福祉財団「てんじ手作り絵本つくっちゃ王」発行
日本郵便事業株式会社年賀寄付金「視覚障害者のための金融講座と金融用語辞典」(点字版4冊)発行 - 2012(H24)みずほ財団福祉基金「ためしちゃ王」発行
- 2017(H29)あん摩養成セミナー
- 2017(H29)日本郵便事業株式会社年賀寄付金「大きな文字の漢字辞典 小学校で学ぶ1006+20字」
- 2018(H30)みずほ福祉助成財団「おりがみ絵本」
- 2020(R2)日本社会福祉弘済会「いのちをつなぐ―被災経験のある視覚障害者の声」
他、年賀寄附金、立川福祉基金、松翁会等各団体の助成事業を実施
4.バスツアー(日本児童教育振興財団協賛)
2006(H18)年から、以下のようなバスツアーを企画・実施しています。
- 2007(H19) 杉山検校の史跡を訪ねるバスツアー
- 2008(H20) 盲賢人 塙保己一を訪ねるバスツアー
- 2009(H21) 本居春庭の足跡をたどるバスツアー
- 2010(H22) 点字新聞のルーツをたずねて
- 2011(H23) 左近允孝之進の足跡をたどるバスツアー
- 2012(H24) 近代筝曲の父・宮城道雄の足跡を訪ねるバスツアー
- 2013(H25) 斎藤百合生誕120年記念バスツアー
- 2014(H26) 宇宙・地球・生命を訪ねるバスの旅
- 2015(H27) 地球史に触れる見学バスツアー
- 2016(H28) 江戸期の盲学者 塙保己一の足跡をたどるバスツアー
- 2017(H29) 江戸期の盲目の偉人 杉山和一と徳川綱吉の足跡をたどるバスツアー
- 2018(H30) 盲女子の母 斎藤百合の足跡をたどり思いを受け取るバスツアー
- 2019(R1) 引き継がれる盲女子教育の未来 母校東京女子大を訪ねてバスツアー
- 2022(R4) 渋沢栄一と視覚障害者バスツア―
- 2023(R5) 杉山和一総検校と江の島バスツアー
5.サイトワールド(企画展開催)
- 2006(H18):国際的に初めての「体表点字」体験会
- 2008(H20):体表点字装置のB-brll(ビーブル)の紹介と体験会
- 2009(H21):ヘレンケラーホンで体表点字の原理を体験しましょう / 杉山和一を語る 視覚障害者福祉・教育の先達、日本鍼灸の管鍼術の開祖
- 2010(H22):漢字学習セミナー 今に伝わる両検校の偉業
- 2011(H23):ヘレンケラーホン・IPPITSUの体験会 / 江戸時代、二人の盲偉人の心 -塙保己一と杉山和一-
- 2012(H24):先人の業績と、これからのキャリア教育の展開 / 二人の盲偉人(杉山和一と塙保己一)を支えた人たち
- 2013(H25):ホシオ君と宇宙を楽しもう / 茨城県自然博物館 ハートフルミュージアムがやってくる / 障害を乗り越えた偉人たち / スマート点字 ヘレンケラーホン
- 2014(H26):見えない・見えにくくなってきた人の自立型読書をサポートする-バリアフリー図書館へようこそ- / 偉人を支えた女性の存在~杉山和一と塙保己一の良き理解者とは~
- 2015(H27):読書に障害のある人の自立生活を支えるアシスティブテクノロジー(AT講習会)(共催・日本社会福祉弘済会) / 杉山和一と塙保己一 人材育成に力を注ぐ(共催・杉山検校遺徳顕彰会 温故学会)
- 2016(H28):伝える・感じるテクノロジー / 杉山和一検校と塙保己一検校の顕彰活動~新記念館の概要と顕彰事業について~
- 2017(H29):盲教育の歴史を未来へとつなぐ / Iot技術時代に迎える2020年東京オリンピック・パラリンピック対応の視覚障害者の為に開発されつつあるテクノロジーの全面紹介 / 杉山和一検校と塙保己一検校を未来へとつなぐ~両検校から学ぶもの~
- 2018(H30):21世紀の視覚障害者および盲ろう者について、職業問題と個人生活について考える(共催・筑波大学附属視覚特別支援学校同窓会) / 杉山和一と塙保己一 強く生きた二人の人生~生涯を貫いた信念とは何だったのか~(共催:公益財団法人杉山検校遺徳顕彰会、公益社団法人温故学会)
- 2019(R1):オリ・パラ2020を楽しもう / 事務系職種の現状とこれから-問題提起と意見交換-パートⅡ(共催・筑波大学附属盲学校同窓会)
- 2020~2022年は中止
- 2023(R5):『ぼくとベイスの物語 盲ろう者と盲導犬、奇跡の出会いと幸せな時間』DVD付冊子完成記念講演会
定款
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