日本児童教育振興財団の助成による事業のご案内(桜雲会2023バスツアー)

2024 年 01 月 25 日

一般財団法人日本児童教育振興財団様よりご助成を賜り、令和5年11月18日に桜雲会2023バスツアー「杉山和一検校と江の島」を催行いたしました。

 

当日は、お天気にも恵まれ、充実した1日となりました。参加された方の感想文を掲載いたします。

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桜雲会主催第17回バスツアーに参加して 岩上義則

私は、11月18日に行われた「桜雲会2023バスツアー『杉山和一検校と江の島』に参加した。参加者は、現地集合を合わせて55名で盛況だった。

江の島は湘南地域を構成する、ごく狭い1区画であるが、50年前に海水浴で近くの片瀬海岸で泳いだ懐かしさもあって参加を決めた。本命はもちろん杉山和一の弁天信仰に由来する伝説や業績を学ぶことにあったから、バス車内でのミニ講演、江島神社での講演や講談をとても楽しみにしていた。

杉山和一についての予備知識は、故・長尾栄一先生の医学史の授業の名講義によってかなり持っていた。それによると、和一は伊勢の国の藤堂藩の家臣の子であること、17歳の頃江戸に出て山瀬卓一に鍼を学ぶも不器用で破門されたという風に表現されたことも思い出した。さらに長尾先生は続けて「しかし、何とかして鍼師として身を立てたいと願う和一は、江の島の弁財天に100日の願をかけ、断食修行をする。そして満願の日に石にけつまずいて転んだ際に、松葉にくるまれた木の小枝を掴んで管鍼術を発想した」というようにも言われた。今回の講演者も、基本的にはその話を主にしながら和一の弁天信仰に至る経緯や弁財天は古くから盲人の信仰対象であったことも話された。そして弁財天は江の島の弁財天の他に厳島弁天、竹生島弁天の三弁天が知られているとも、富士弁天や金華山弁天を加えた五弁天が有名であるとも、吉野を入れて六弁天とも言われるなどの話もあって内容が濃かった。また、琵琶や箏・三味線など、盲人の職業につながる楽器との関連についても説明があった。さらに、江島神社の奥津宮には、筝曲山田流の創始者山田豊一の銅像もあるとの話も聴いた。

もう一つ、杉山和一に関する有名な逸話がある。和一は、徳川四代将軍家綱、五代将軍綱吉の持病を治療した話である。綱吉から「褒美を取らせたいが、望みを申せ」と問われた和一は「小生は目がほしゅうございます」と応えたくだりである。これに対して綱吉は「それは難題な話じゃが」と前置きして、「しからば、本所の一部を分け与えるによって、そこを『一つ目』と称するがよかろう」と言ったとか言わなかったとか。

和一は本所の弥勒寺に埋葬されるが、今は、その墓は江の島に移設されている。桜雲会バスツアーの参加者は、江の島の墓参もして、福石ならぬ墓前の小石を拾う人もいた。和一の福にあやかりたいと願うからなのであろう。

 

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