理事長「歳時記」2024年春

2024 年 04 月 29 日

ソメイヨシノの開花・満開日が遅れました。

昨年、全国のソメイヨシノの開花宣言は地球温暖化の影響で通用しなくなるでしょうと言いましたが、遅くなったことには驚きでした。

今年は、入学式に合わせるように咲いたのが、せめてものよろこびでした。

今年の二日灸(旧暦2月2日)は3月11日でした。東日本大震災から13年経過した日でもありました。

鍼灸の世界では、二日灸を据えると悪病災難に遭わずに元気に過ごせると言われていました。

俳句の世界では、春の季語として使われています。ここでは、日野草城(ひの そうじょう1901-1956)の詠んだ句を紹介します。

氏は高濱虚子に師事していました。初期の句は、写生の基礎を踏まえ生活感情を言葉で残し、対象の真実を表現していました。

妻を想う傍ら、自身は45歳の時に肺結核に罹患し、長い病床生活をおくり55歳で生涯を終えました。

◎撫で肩のさびしかりけり二日灸

能登半島地震でも、自衛隊、各地の自治体から派遣された関係者、多くの民間団体の支援者の活動には頭の下がる思いです。

しかしながら、山の多い能登半島の道路は至るところで寸断され、作業は難航しています。道路、水道などの基幹インフラの整備が急務となっています。

大災害が毎年襲ってくる時代を迎えています。いつも「がれきの山」が映し出されると、悲しみと同時に寂しさがひしひしと迫ってきます。

被災に遭われた皆様が笑顔に戻り、一日でも早く元通りの生活を取り戻されるように心から願っております。

対峙する短歌を作ってみました。

◎二日灸土あらあらし能登路見ゆ復興の音さびしかりけれ

 

2024(令和6)年4月

一幡 良利(いちまん よしとし)

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