理事長「歳時記」2023年夏

2023 年 07 月 31 日

初夏から夏にかけての楽しみの一つは緑豊かな「色」と「香」があります。

気分も爽やかになってきます。こんな時は草餅と一緒に緑茶をいただくのも良いものです。

外では、鴬の上手になった鳴き声にも心が癒されます。

草餅の「草」はヨモギ(蓬)です。かつては春の七草のゴギョウ(母子草)が使われていましたが、今では蓬が主流となっています。

蓬は成長していくと葉の線維からお灸(きゅう)の艾(もぐさ)も作られます。

俳句の世界でも草餅、お灸(二日灸、土用灸、寒灸など)は季語として繁用されています。正岡子規(1867-1902)が1893(明治26)年に名所を題材として詠んだ二つの句が興味深いものでした。薬草の蓬のことを熟知していました。

 

◎草餅のこゝは灸の名所哉

◎草餅のこゝは蓬の名所哉

 

子規はお灸をこよなく愛し、蓬の草餅も大好物であったことが良くわかるものでした。

対峙する草餅の短歌を作ってみました。

 

◎雨晴れてひとり和むや畳の間 草餅口に午後のすがしさ

 

2023(令和5)年7月

一幡 良利(いちまん よしとし)

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